「飲酒運転は犯罪です」弟を亡くした姉の思い

2009年6月19日

自営業 女性 30代

 

私は、数年前に弟を飲酒運転の交通事故で失いました。当時、弟は17歳。高校2年生でした。あの日、夜9時ころ外出中だった私のもとに母から電話があり「弟が事故にあったようだから、今すぐT病院に向かって」とのことでした。すぐに、実家に兄弟が集まり、そろって病院へ向かおうとしたその時、電話が入りました。それは父からの電話でした。「…弟が死んだ」と。

父の声の後ろからは、何度も弟の名前を呼ぶ母の泣き声が響いていました。今でも、その時のことを思い出すと涙が止まりません。私は「うそだ 絶対信じない」と電話を切りました。病院へ着くなり、私たちは病室ではなくすぐに霊安室に通されました。暗くて、冷たくて灰色の霊安室には、弟が制服を着たまま横たわっていました。弟は、特に目立った大きな外傷はなく本当に眠っているかのようでした。

しかし、体は冷たく硬直しまぶたはうっすら開き、その奧に見える黒目はぼんやりと空を見つめています。私たち家族は弟を囲んで、弟の名前を呼びながらいつまでもいつまでも体をさすって温めました。今なら、まだ生き返ってくれるのではないかと本気で思っていたのです。

加害者の男は、土木関係の仕事をしていて仕事が終わった後に現場で缶ビールを3~4本、その後店に移動し泡盛を飲んで帰宅途中だったようです。スピードを出しながら、弟が乗る大型バイクの後ろに追突。弟はフルフェイスのヘルメットを着用していたのにも関わらず、路肩に打ち付けられ即死状態でした。

警察の方でわかったことが、加害者は飲酒運転の常習犯ですでに免許を取り上げられ無免許だったということ。そして、車は他人名義の借り物で保険にも入っていないということでした。当時は、まだ法が改正されておらず「業務上過失致死」ということで、刑期は2年足らず。私たちの怒りや悲しみは行き場もなく、未だにやるせない気持ちでいっぱいです。それから、何度か裁判をしましたが、法廷で加害者の謝罪はありませんでした。

今でも、弟の友達は命日に家に集まってくれます。少しずつ成長していく友人たちを見ていると、弟も生きていればもう社会人なんだな、と思い気持ちがこみあげてきます。

飲酒運転で私たちは大事な家族を失いました。いつまでも埋まることのない大きな悲しみを、家族一人一人が抱えています。そして加害者も、取り返しのつかない大きな過ちを犯してしまったのです。彼の家族はもちろん、彼自身の人生もどん底だと思います。飲酒運転は、必ずなくすことができると私は信じています。あなたの一番身近な人を加害者にも被害者にもさせないために飲酒運転は絶対やめてください。